マイクロスコープ精密治療
「何度も治療したのに、また同じ歯が痛くなった…」
「詰め物をしたのに、歯と詰め物の間に隙間ができてしまった…」
歯科治療は、わずか数ミリの小さな世界で行われる、極めて繊細な作業です。
特に、歯の根の治療(根管治療)や、詰め物・被せ物の土台作りといった重要な工程は、歯科医師の肉眼(裸眼)では、「見えない部分」が多く、経験や勘に頼らざるを得ない場面がありました。
この「見えない」部分でのわずかなズレや、細菌の取り残しこそが、治療の失敗や再発の大きな原因となり、結果として大切な歯を失うことにつながっていました。
当院が導入している「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」は、この「見えない」という歯科治療の長年の課題を解決するために、不可欠な医療機器です。
マイクロスコープとは?—「肉眼の20倍」で見える精密治療
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)とは、手術などで使われる顕微鏡を歯科治療に応用した機器です。
マイクロスコープの仕組みと視野
最大20倍程度の拡大視野
治療部位を肉眼の最大20倍程度にまで拡大し、高精度の光で照らし出すことができます。
これにより、これまで暗くて見えなかった歯の内部や、複雑な形状が、はっきりと歯科医師の目の前に映し出されます。
「勘」ではなく「確実な目視」へ
マイクロスコープを使用することで、歯科医師は「勘や経験」に頼るのではなく、「確実な目視」に基づいて治療を行うことが可能になります。
これは、治療の精度と確実性を高める上で、とても重要な要素です。
マイクロスコープの必要性—なぜ見ることが大切なのか
マイクロスコープの必要性は、「歯の長期的な温存」に直結します。
| 治療の質 | 肉眼(裸眼)での治療 | マイクロスコープでの治療 |
|---|---|---|
見える限界 |
歯の内部や根の先など、多くの部分が見えない。 |
歯の内部や根の先など、細部まで鮮明に見える。 |
治療の精度 |
経験や勘に頼る部分が多く、細菌の見落としリスクがある。 |
確実な目視により、細菌の取り残しやズレを最小限に抑える。 |
治療後の予後 |
細菌の取り残しなどによる再発リスクが高い。 |
再発リスクを低減し、歯の長期的な温存に貢献する。 |
「確実に見えること」は、治療後の歯がどれだけ長持ちするか、という未来を左右する重要な土台となります。
マイクロスコープが有効な治療分野とそのメリット
マイクロスコープは、すべての治療で必須ではありませんが、特に「精密さが求められる治療」において有効です。
歯の根の治療(根管治療)
根管治療は、「歯を残す」ための最後の砦です。
歯の内部の根管は、髪の毛のように細く、複雑に枝分かれしているため、肉眼での治療成功率は低いとされています。
隠れた細菌を確実に取り除く
マイクロスコープは、根管の複雑な形状や、隠れた細菌の取り残しを鮮明に映し出します。
これにより、感染源を徹底的に除去し、再発リスクを大幅に低減することを目指します。
歯の削りすぎを防ぐ
感染部位だけを正確に除去できるため、健康な歯質を不必要に削ることを防ぎます。
これにより、歯の強度を保ち、治療後の歯の寿命を延ばすことに貢献します。
異物除去の成功率向上
過去の治療で折れてしまった器具(ファイル)など、根管内に残された異物の除去も、拡大視野で行うことで成功率が高まります。
詰め物・被せ物の精密な形成と装着
詰め物や被せ物は、歯と修復物の間にわずかな隙間ができると、そこから細菌が侵入し、二次的な虫歯の原因となります。
ズレのない密着性の実現
マイクロスコープは、歯を削る際(形成)に、理想的な形に極めて正確に整えることを可能にします。
また、修復物を装着する際も、歯との境目を最大に拡大して確認しながら、隙間なく密着させることができます。
二次虫歯の予防
この高い適合性(ぴったり合うこと)が、細菌の侵入を防ぎ、治療後の二次虫歯のリスクを最小限に抑えるための、最も重要な土台となります。
虫歯治療や審美治療
初期虫歯の正確な診断
肉眼では見逃しがちな、ごく初期の虫歯や、歯の亀裂などを早期に発見できます。
削る量の最小化
虫歯に侵された部分だけをピンポイントで、最小限の量だけ削ることができます(MI:Minimum Intervention)。
健康な歯質を可能な限り残すことで、歯の寿命を延ばします。
当院の自費専門体制とマイクロスコープ精密治療の相乗効果
当院が自費専門の体制でマイクロスコープ治療を提供することには、単なる精密さ以上の効果があります。
「時間の余裕」が精密さを支える
マイクロスコープを用いた治療は、肉眼での治療と比較して、時間と集中力を要します。
保険の制約からの解放
保険診療では、診療時間に制約があるため、マイクロスコープを導入していても、十分に時間をかけられない場合があります。
当院は自費専門であり、「新規患者数を制限」し、「一人ひとりに十分な時間を確保」することで、時間を気にせず、マイクロスコープによる高度な集中治療を実現します。
プロフェッショナルチームの集中力
経験10年以上の歯科医師が、最高の集中力をもって治療に臨める環境を整えています。
時間的な余裕は、治療中のあらゆる判断と操作の精度を高めます。
院内連携による総合的な品質保証
院内技工室との連携
マイクロスコープで精密に削られた歯のデータは、院内技工室にいる経験豊富な歯科技工士に伝わります。
技工士も拡大視野での治療を前提とした知識を持っているため、極小の精度差も再現した修復物を迅速に製作できます。
歯科衛生士の役割
治療後のメンテナンスも、経験10年以上の歯科衛生士が歯と修復物の境目などを細かくチェックします。
これにより、治療後の小さな変化も見逃さず、長期的な安定をサポートします。
まとめ:外苑前で「未来の安心」を手に入れる精密治療
当院が導入するマイクロスコープ精密治療は、「肉眼では見えない部分まで確実に見る」ことで、治療の精度を飛躍的に高めるための、当院の品質へのこだわりの象徴です。
私たちは、以下の価値を提供します。
根管治療や被せ物治療における、再発リスクの極限までの低減
健康な歯を削りすぎることなく、歯の寿命を延ばす
患者様ご自身が治療の様子を確認できる透明性の高い治療
自費専門の「時間の余裕」による、妥協のない集中治療
「単なる治療」ではなく、「何年先も安心できる、質の高い精密な治療」を求めている方は、ぜひ一度、当院のマイクロスコープ精密治療についてご相談ください。
